ネバダ州オースティン(Austin)で、ゴーストタウンの歴史を学ぶ
生きているゴーストタウン「オースティン」: Living Ghost Town Austin
オースティンは、リノから東へ3時間ほど車で行った先のトワヤブ山脈の入り口にあり、ハイウェイUS50号線上の生きているゴーストタウンです。
50号線は、カリフォルニア州ウェスト・サクラメントから、メリーランド州オーシャンシティまで、3,000マイル (4,800 km) 東西を貫くハイウェイです。そんな長距離ハイウェイ上にある街なのですが、ネバダ州に至っては、孤独な道になっています。
50号線の、ネバダ州ファーンリー・ユタ州デルタ間には、Life誌1986年7月号の「AMERICA THE MOST」特集28ページで「THE LONELIEST ROAD (孤独な道)」という名称が付けられています。
ネバダ州オースティンの歴史
1859年~ジェイコブスビルの時代
そんな道にあるオースティンですが、元々は、50号線を7マイル西に行った場所のリース川周辺にあったジェイコブスビル(Jacobsville: 1859-1864)に、バッターフィールド・オーバーランド・メール(Butterfield Overland Mail: 1858-1861)の駅馬車の駅を作るために入植が始まったのが最初です。入植後、ポニー・エクスプレス※(1860-1861)の停留所、郵便局(1863-1864)、オーバーランド・テレグラフラインの電信所が開設されます。
※ポニー・エクスプレス、馬を使った速達サービス。
ちなみに、この通信所からカーソンシティへ行く途中のマーク・トウェイン(当時20代後半)が、カーソンシティのナイ(James W. Nye)ネバダ準州総督にメッセージを送信しています。
マークトウェイン 西武放浪記(Roughing It): CHAPTER XX (1872)
兄が、ネバダ準州(Nevada Territory:1861-1864)の総督秘書官に任命されたので同行しています。後にバージニアシティのテリトリアル・エンタープライズ新聞社の記者にななります。
現在は、ジェイコブスビルは、ゴーストタウンで何もありませんが、歴史的マーカーとして説明の銘板があります。
State Historical Marker No. 66
Reese River Station (Jacob’s Station)
1862年~シルバーラッシュ
駅馬車の会社の従業員だったウィリアム・タルコット(William M. Talcott)が、1862年にポニー・キャニオンで逃げた馬を探していたところ、偶然銀鉱脈を発見。このことがきっかけで、鉱山ブームとなり、ジェイコブスビルからクリフトン※に入植が始まります。郵便局(1863-1864)や、ウェルズ・ファーゴの駅馬車オフィスもあったとのこと。
年末にランダー郡が設立されます。
※クリフトン: Clifton,オースティンの東隣の鉱山入口で、現在はゴーストタウン
1863年~オースティン入植ブーム
1863年の初めにオースティンに入植開始。山岳道路が開通するとビジネスの中心はオースティンに移ります。
2つのホテル、2つの日用品店、5つのサロン(さらに2つ建設中)、ビリヤード場、3つの鍛冶屋、馬車修理店、雑貨店、3つの洗濯屋、2つの売春宿、 宿泊施設(建設中)、馬屋、2つの弁護士事務所、4つの公証人事務所、2つの運送会社、理髪店、仕立て屋、看板屋、4つの大工、4つの石工、2つの煉瓦屋、ブーツ屋、靴屋、乳業、看板、印刷所、新聞社ができました。オースティンは1863年8月1日までに279棟に成長し、8月下旬までに人口は1,100人に。オースティンとその周辺のリース川鉱山地区の人口は10,000人を超えています。
1863年9月にランダー郡の郡庁所在地は、ジェイコブスビルからオースティンになりました。
1864年~オースティン市の誕生
1880年〜鉄道時代
1880年にオースティンとバトルマウンテンの大陸横断鉄道を結ぶためにネバダ中央鉄道(Nevada Central Railway)が、開通しました。
ストークス城を建てた、アンソン・フェルプス・ストークス (Anson Phelps Stokes) の尽力で建設されます。1881年にユニオンパシフィック鉄道が路線を購入しますが、1885年に破産し、再びアンソン・ストークスを含む債券保有者に売却されました。1888年には、ネバダ中央鉄道(Nevada Centarl Railroad)と新会社になりました。
1997年〜ゴーストタウン
1997年にランダー郡の郡庁所在地は、オースティンからバトルマウンテンに移りました。
現在〜生きているゴーストタウン
オースティン歴史博物館
オースティン歴史博物館(Austin Historical Museum)
Facebook: Austin Historical Museum
詳細
りのなび編集部が訪問した時は、下記の営業時間でした。
月~金: 11:00 – 15:00
その他曜日: 不確定、予約可
入場料: 無料
りのなび編集部は、寄付代わりにマウスパッドを購入しました。
無料でバンダナ、US50ステッカー、ポニー・エクスプレス・ポスターがもらえます。
US50スタンプラリーも行われています。